長い歴史を誇り多くの部族が共生するメキシコの「カラフル」な文化に注目し、アステカのカレンダーの文様を日本の有職文様に見立て、背縫いを中心にシンメトリーに配置した。上下左右ともに対称ではないことから、このデザインを織ることには複雑で精緻な計算と膨大なデータを必要としたが、見事に成功している。また、裾の部分にはオトミ族の刺繍からデザインを発送し、5色に及ぶ刷り込みを糸に施し、糸の準備に莫大な時間をかけて織り上げた。威厳と多様性あるメキシコの文化を表した、これまでの久留米絣を一新する作品である。
メキシコの伝統的な織物である「サラペ」のモチーフにして、カラフルでビビットな縞模様でデザインを構成した。作者の作品の特徴である両端部分は平織、中心部分は二重組織という特徴を生かし、中心の部分には日本の伝統文様である矢絣の地紋を織り込み、日本とメキシコの友好の気持ちを込めた作品となっている。