世界一の落差を誇るエンゼルフォールが肩から裾にかけて描かれ、雷鳴轟くマラカイボ湖とのあいだには虹がかかる描写を表現した。ベネズエラ国旗から取り入れたトリコロールが全体のデザインに大きなインパクトを与える構成になっている。国中に咲く欄の花が写実的な手描き友禅と、糊を使った疋田文様によって対照的に描かれていることろに作者のコンセプトを感じ取ることができる。高地の鮮やかなグリーンと世界一の高さを誇る椰子の木とアラグアニーの林が印象的で、豊かな自然と国旗のカラーのコンビネーションが作品の特徴といえる。
エンゼルフォールの滝や水しぶきをストライプや水玉文様でデザインし、ピンクドルフィンを細やかな織で表現した手織の作品。国花の蘭の花は国旗に使われている赤、青、黄色に見立てた金を用いて、生き生きとした描写で織り上げられている。シルエットになったデザインと、柄として強調されたデザインの遠近感が見事な作品です。