全体を色とブルーの片身代わりに取り、濃紺の椰子の木のシルエットによって地色をつなぐ工夫を施し、黄色の国花が全体を包み込んだ、作者の新境地を拓いた意欲作。キューバの文化であるお酒、タバコ、葉巻、クラシックカー、楽器、国会議事堂など、多くのアイコンがリズミカルに散りばめられ音符や五線譜によって人々の陽気な歌声や生活、そして音楽の音色が聞こえてくるように感じ取れます。色糸目を活用した技法によるアウトラインの優しさによって込み合ったデザインをまとめる技量は、工芸会のベテラン作家の構想力も感じます。
キューバのパッションに満ちた音楽のサルサやルンバなどの「キューバリズム」使用される代表的な楽器、トレスギター、バタドラム、マラカスを、リズミカルに配しました。国旗をイメージした色彩、音符は国家を表しています。様々な革命を乗り越えてきた歴史や音楽を意匠に込め、金糸と多彩な色糸によりボリューム豊かに織り上げました。